Microsoftは、Windows 11ユーザー向けに「KB5067036」として知られる2025年11月の大型アップデートのリリースを発表しました。このアップデートは、OSの根幹に関わるスタートメニューの刷新から、AI機能「Copilot」との連携強化、さらにはアクセシビリティの向上まで、非常に多岐にわたる新機能と改善点を含んでいます。
一方で、Windowsのupdateといえば、新機能への期待と同時に、過去には「直近でのupdateによる弊害」として、予期せぬ不具合や「問題点」が報告されてきた歴史もあります。ユーザーにとって、今回の大型アップデートが「快適性の向上」をもたらすものなのか、それとも「新たな問題」を抱えるものなのかは、最大の関心事と言えるでしょう。
この記事では、Microsoftの公式情報（ブログ.windows）および関連する報道（ウィンドウズセントラル）に基づき、「KB5067036」アップデートの詳細な内容と、修正が予定されている既知の問題点について、幅広く調査・解説していきます。
Microsoftが放つWindows 11「KB5067036」（2025年11月大型アップデート）- このupdateで何が変わるのか
今回の「KB5067036」updateは、単なるマイナーチェンジではなく、ユーザーインターフェース（UI）と生産性に大きく関わる機能強化が中心となっています。Microsoftが目指す、よりシームレスで効率的なPC体験の姿が垣間見えます。
スタートメニューの抜本的刷新とレスポンシブ対応
Windows 11の顔とも言えるスタートメニューが、今回のアップデートで大幅に一新されます。公式ブログ（ブログ.windows）によると、最も大きな変更点は、新デザインの採用と「オール」セクションの導入です。
これにより、インストールされている全てのアプリが一覧表示可能になります。さらに、表示方法は「カテゴリー」モードと「グリッド」モードの2種類から選択でき、OSはユーザーが直前に使用した表示方法を記憶します。
また、特筆すべきはレスポンシブ対応です。デバイスの画面サイズに応じて、スタートメニューの表示が動的に切り替わるようになり、タブレット端末や小型デバイスでの操作性向上が期待されます（ブログ.windows）。
フォンリンク統合と「Click to Do」によるCopilot連携強化
PCとスマートフォンの連携も、今回のupdateで大きく前進します。タスクバーの検索ボックス横に「フォンリンク」のアイコンが標準で追加され、AndroidだけでなくiOSデバイスとの連携もサポートされます（ただし、一部地域では提供時期が異なるとのことです）（ブログ.windows）。
さらに注目すべきは、Copilotとの連携を強化する新機能「Click to Do（クリックプブー）」です。これは、画面上のテキストを選択するだけでCopilotへ直接内容を送信できる機能です。Copilotは選択されたテキストを解析し、単位変換、翻訳、あるいはテキスト内容の「結論」や「テーブル（表）」の検出といった、文脈に応じた提案を自動で表示します（ブログ.windows）。
この機能は、Excel/365との連携や、フリーフォーム（自由な形）での選択、オブジェクト選択モードにも対応。さらに、2本指の同時タッチによる高速起動もサポートされるなど、AIアシスタントをより直感的に利用するための工夫が凝らされています。ただし、この一部機能はEEA（欧州経済領域）や中国地域では非対応となる点に注意が必要です（ブログ.windows）。
ファイルエクスプローラーとタスクバーの機能改善
日々のファイル操作に欠かせないファイルエクスプローラーも強化されます。ホーム画面の「おすすめ」表示機能が、これまで対象外だった個人アカウントやローカルアカウントのユーザーにも拡大されます（一部地域を除く）（ブログ.windows）。
また、ファイルやフォルダにマウスオーバー（カーソルを合わせる）するだけで、「場所を開く」や「Copilotに聞く」といった新しいコマンドが表示されるようになり、操作のステップが短縮されます（ブログ.windows）。
タスクバーとバッテリー表示にも細かな、しかし重要な改善が加えられます。バッテリーアイコンは新デザインとなり、充電中は「緑」、残量20%以下では「黄」と色分けされます。さらに、バッテリー残量をパーセンテージで常時表示するオプションも追加されました。タスクバーのサムネイルプレビュー（ウィンドウにカーソルを合わせた際の小さな表示）からは、直接「Copilotで共有」アクションが選択可能になります（ブログ.windows）。
アクセシビリティとその他の注目すべき変更点
アクセシビリティ機能も大きく進化します。「Fluid Dictation」と呼ばれる次世代の音声入力機能が導入され、句読点や文法を自動で補正します。そして今回、この機能が日本語に正式対応しました。併せて、音声コマンドの遅延オプションも導入され、より多くのユーザーが快適に音声操作を利用できるようになります（ブログ.windows）。
その他の変更点としては、ロック画面にも新しいバッテリー表示が適用されるほか、OSの初期セットアップ（OOBE）時に、Microsoftアカウント（MSA）のサインイン画面から「Shift+F10」でコマンドプロンプトを実行し、ユーザーが任意のアカウント名を自由に指定できる（従来は制限があった）裏技的な手法が公式にアナウンスされています（ブログ.windows）。また、設定内の「メール&アカウント」表記が「あなたのアカウント（あなたのアカウント）」というやや重複した表現に変更されるといった細かな調整も含まれています（ブログ.windows）。
過去のupdateにおける問題点と「KB5067036」で修正される直近でのupdateによる弊害
Windows updateには新機能への期待が寄せられる一方、過去のアップデートでは様々な「問題点」や「弊害」が報告されてきました。今回の「KB5067036」では、こうした過去の問題に対する修正も重要な柱となっています。
深刻な不具合への対応と安定性の向上
直近でのupdateによる弊害として、ユーザーから深刻な問題が報告されていました。その一つが、「更新とシャットダウン」を選択しても正常にシャットダウンが行われないという問題です。また、特定の更新プログラムを適用しようとすると、エラーコード「0x800f0983」が表示され、更新が失敗し続けるという問題も発生していました（ブログ.windows）。
これらの問題は、OSの安定性やセキュリティ維持の根幹に関わるため、多くのユーザーを悩ませていました。今回の「KB5067036」アップデートでは、これらの深刻な不具合に対する修正が含まれており、安定性の向上が図られています（ブログ.windows）。
日常操作に関わるバグ修正
深刻なエラー以外にも、日常的な操作感に影響を与える「問題点」も修正対象となっています。具体的には、ファイルエクスプローラーや、「開く/保存する」ダイアログ、タスクバーの動作に関する複数のバグが修正されます（ブログ.windows）。
さらに、パスワード変更時に「ACCESS_DENIED」エラーが発生する問題や、特定のマシン環境下でDRM（デジタル著作権管理）保護されたコンテンツ（動画配信など）が正常に再生できないといった、特定のユーザー環境で発生していた弊害も解決される見込みです（ブログ.windows）。
アップデートの展開方法とテスト中の新機能
今回の「KB5067036」に含まれる新機能の一部は、「段階的ロールアウト」によって提供されます。これは、全てのユーザーに同時に新機能が提供されるのではなく、各地域や端末の種類（ハードウェア構成）によって、利用可能になるタイミングが異なることを意味します。このため、アップデートを適用しても、一部の新機能がすぐには表示されない場合がある点は注意が必要です（ブログ.windows）。
また、これらの機能の多くは、ユーザーが「設定＞個人用設定＞スタート」などのメニューから、個別にカスタマイズしたり、オン/オフを制御したりすることが可能となっています（ブログ.windows）。
さらに、直近でのupdateに関連する動きとして、Windows Insider Program（プレビュー版）参加者向けにテストされている新機能「コピー＆検索」も報じられています（ウィンドウズセントラル）。これは、Webページやドキュメントなど、Windows上のどこからでもテキストをコピーすると、タスクバーの検索ボックスに「検索用の貼り付けグリーム（ボタン）」が自動で出現する機能です。
このボタンをクリックするだけで、クリップボードのテキストが検索フィールドに貼り付けられ、ワンクリックで即座にWeb検索（標準ではBing）が実行できます。この機能により、コピー＆ペーストによる検索の手間が大幅に短縮されると期待されていますが、現時点ではテスト段階であり、全ユーザーへの展開時期は未定です（ウィンドウズセントラル）。
Windows update「KB5067036」の新機能と修正される問題点まとめ
Microsoft Windows「KB5067036」アップデートに関する主要点のまとめ
今回はMicrosoft Windowsの「KB5067036」（2025年11月大型アップデート）についてお伝えしました。以下に、今回の内容を要約します。
・スタートメニューが一新され「オール」セクションが追加
・スタートメニューはカテゴリー/グリッドの2モードを記憶
・フォンリンクが検索ボックス横に統合されAndroid/iOS対応
・新機能「Click to Do」でテキスト選択からCopilot連携が可能
・「Click to Do」は単位変換や翻訳、Excel連携に対応
・ファイルエクスプローラーの「おすすめ」がローカルアカウントにも拡大
・タスクバーのバッテリー表示が色分けされ残量常時表示に対応
・次世代音声入力「Fluid Dictation」が日本語を正式サポート
・「更新とシャットダウン」でシャットダウンしない深刻な問題点を修正
・更新エラー0x800f0983が発生する問題への修正を実施
・ファイルエクスプローラーやタスクバーの動作バグも修正
・パスワード変更時のACCESS_DENIEDエラーも修正対象
・新機能は「段階的ロールアウト」で順次展開
・「コピー＆検索」機能がInsider向けにテスト中
・「コピー＆検索」はコピーしたテキストをタスクバーから即時検索可能
「KB5067036」は、機能強化と深刻な不具合修正の両方を含む、非常に大規模なアップデートとなるようです。
特にスタートメニューの刷新やCopilot連携の強化は、日々の作業効率に大きな影響を与える可能性があります。
段階的な展開となるため、ご自身の環境で利用可能になる時期については、Microsoftからの続報にご注目ください。
